まろの思いつき

著者のまろが、興味の湧いたことについてあれこれ書きます。

ドローン普及のメリットと危険性

 みなさんは「ドローン」という言葉を知っているだろうか.ドローンというのはラジコンヘリの一種だ.普通に思い浮かべるラジコンヘリと言えば,大きなプロペラが上に一つあるものだろう.しかし,ドローンは4つ以上のプロペラを持つのである.基本的にプロペラは全て同じ大きさで,偶数個(一部奇数個あり)が上向きについている.これらの回転数の比を変えることによって機体を傾けて移動する.ドローンと言うよりも,「マルチコプター」という別名の方が馴染みがあるかもしれない.

 

 このドローンには,普通のヘリコプターに比べてどんなメリットがあるのだろうか?一つ目は,機構のシンプルさである.これは故障の確率を下げることが期待される.ヘリコプターはプロペラの羽の角度を変えたり,プロペラの付け根の向きを変える機構があるが,高速で回るプロペラに複雑な機構があると当然故障の確率が増える.その点でドローンは,固定した羽を回転させるだけなのでシンプルである.

 二つ目は運動性能の高さである.通常のヘリコプターは機体をぶら下げるような形でプロペラが配置されているが,ドローンは機体の重心とほぼ同じ高さにプロペラが存在する.そのため姿勢を速く変化させることができるのだ.

 三つめは,小型化が容易である点である.機構のシンプルさとも関係するが,ドローンには細かい部品が必要でない.そのため,安く小型化が実現できるのである.

 

 このようにメリットがたくさんあるドローンは近年急速に研究開発が進められており,既に実用化もされている.例えば国内で言えば,警備会社「セコム」の無人警備ヘリである.これは対象地域を巡回し,不審者を発見したら自動で追尾し,撮影した動画をリアルタイムで送信するものである.単に飛行するだけでなくロボティクス技術が取り入れられているのが特徴だ.他にも工事現場での測量や,空撮写真の撮影などが行われている.ドローンを配備しているテレビ局も存在する.

 

 以上のように事業としてドローンを利用する例が多く見られるが,その手軽さゆえに個人のレジャーとして利用されることも増えている.手のひらサイズであれば数千円で買え,10kg程度の荷物を運べるものであっても数十万円で買えてしまう.レジャーとして飛ばすことが簡単になっているが,その危険性は大きい.運動性能が良いと述べたが,裏を返せば制御が難しいことを意味している.安定して飛んでいると思ったらふとした外乱で容易に墜落することがある.市街地や公園で飛ばすのは難しいだろう.慣れないうちは室内で楽しめる小型のカメラ付クアッドコプターなどで練習すると良いだろう。

 

 ドローンは生活空間において人に対する物理的な危険性をはらんでいるが,他の面でも危険がある.それは盗撮である.超小型ドローンに小型カメラを搭載すれば,盗撮は容易である.マンションの高層階の部屋を覗いたり,窓が少し開いていれば侵入も可能である.ウェブカメラなどでリアルタイムに映像を受信できるので,操縦者から見えない場所でも動かすことができる.物を持ち出すのは難しいかもしれないが,盗聴器の設置や個人情報の閲覧ぐらいなら可能だろう.

 

 便利な面もある一方で危険もはらんでいる.新しい技術とはいつもそういうものである.どういった目的で使うのかをよく考えなければならない.もちろん考えるだけでなく法整備が必要である.しかし,法整備がどのように進むかは,それまでの我々の使い方にかかっているのも事実.全面的に個人使用が禁止などということにならないようにしたい.

 

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